インプラント症例ブログ その2
川崎区にある歯医者 パール歯科医院 院長の藤田です。
私は日本口腔インプラント学会 認定インプラント専門医を取得しております。当院ではインプラント治療・矯正治療など自費治療に力を入れています。
今回は、当院のインプラント症例について、お話をさせて頂きます。
目次
1.はじめに
2.症例紹介
3.治療計画
4.インプラント埋入手術前の準備
5.インプラント治療の詳細
6.最終補綴(セラミック冠&ゴールド冠)の装着
7.メンテナンスと経過観察
8.まとめ
1.はじめに
両側奥歯が咬めなくなってしまった患者様のインプラント治療についてお話しさせていただきたいと思います
こちらの患者様ですが、左下奥歯と前歯が欠損しています。右下奥歯はブリッジがはいっていますが歯周病の進行で大きな動揺がでてきています。以前他歯科医院でつくった部分入れ歯を使用していましたが、どうしてもなじめず使わなくなってしまったそうです。その結果右側ばかりを使うようになり今度は右側も問題がおきてしまいました。
2.症例紹介
下顎左右遊離端欠損部ならびに左下前歯部中間欠損部にインプラント補綴を行った一症例
患者:65歳 女性
初診: 2015年1月18日
主訴:奥歯で咬めないので,インプラントをいれてしっかり咬めるように
したい.
既往歴:特記事項なし
現病歴:下顎左側臼歯欠損部は,以前義歯作製するも使用感の悪さで
使用できなかった.下顎右側臼歯部ブリッジの動揺も気になり来院.
現症:なし
全身所見 :特記事項なし口腔内所見:特記事項なし
診断名 :32,36,37欠損
歯周病 STAGEⅢ GRADE C
3.治療計画
右側一番奥の大臼歯は歯周病で、顎の骨から分離している状態でした。その手前のブリッジの支えの小臼歯も銀歯の下でむし歯の進行が著しいため抜歯となりました。また左下銀歯の小臼歯は歯の根が割れていました。左右奥歯のかみ合わせに不均衡があり、しかも前歯もかみ合わせが悪いと加速度的に奥の歯にダメージが加わり次々と歯を喪失してしまいます。その典型的な症例です。
インプラント治療の前段階として、歯周病治療が行われます。歯周病検査の結果は割愛させていただきましたが、他にもかみ合わせの検査等、事前の準備はインプラントの長期的予後を考えるととても大事なものになってきます。
4.インプラント埋入手術前の準備
右下のブリッジ抜歯した後、顎骨の状態を精査するためCTレントゲン写真を撮影しました。撮ったCTに実際埋入するインプラントを重ね合わせてみました。CTを撮ると、通常のレントゲン写真ではわからない情報を数多く得る事ができ、より安全にインプラントの埋め込み手術ができるようになります。下顎の中には太い動脈や神経が走っています。ここをインプラント埋め込み手術時に傷つけてしまうと、後々の治りに時間がかかってしまうこともあるのです。同じくCTだと横方向の骨の厚みも一目瞭然になります。今回の場合前歯の骨の厚みが十分ではありません。
5.インプラント治療の詳細
今回はスプリットクレストという特殊な技法を併用した手術を行いました。
CTで得た情報をコンピューターで解析して、インプラントを埋め込む最適な位置・方向性・深さ等をコンピューター上で決定します。そのデータをもとに、インプラントドリルの入る穴をあけたサージカルテンプレートをコンピューター制御の機械で作製します。この技術はこの10年程度で飛躍的に向上しました。インプラント手術が、より安全正確に行われることが可能になったのです。
インプラントの埋め込み手術です。従来の方法と比べて半分程度の手術時間で可能になりました
インプラント埋入手術直後のレントゲン写真です。埋入位置・深さ・方向性とも理想的です
もちろん顎の骨の中にある動脈や神経を傷つけることはありません
同じくインプラント埋入手術後のCTレントゲンです。術前のシュミレーションと同じ位置に埋め込まれています。前歯部(左から4枚目)もスプリットコントロールが上手くいって理想の位置に埋められました。
その後のインプラントの頭出し(2次オペ)と型どりです
6.最終補綴(セラミック冠&ゴールド冠)の装着
埋め込んだ7本のインプラントの上にはセラミックの歯が載りました。また上の奥歯にはゴールドのクラウンが3本入りました。前歯のかみ合わせが切端咬合といって上下歯の先端であたっている難しいかみ合わせをしています。定期的なメインテナンスの度に全体的なかみ合わせを確認していく必要性があると考えています
7.メンテナンスと経過観察
現状咀嚼・審美について患者は満足している状態である今後長期的予後を観察していく必要があると考える
3カ月に一度のメインテナンスで術後管理を行っており,患者は欠かさず通院してくれている. その後インプラント周囲骨の異常所見,インプラント周囲組織の炎症所見は認めず良好に機能している.
9.まとめ
今回の症例では、65歳女性下顎左右遊離端欠損部ならびに左下前歯部中間欠損部にインプラント治療を実施しました。
インプラント埋入位置・深度については、解剖学的要素や骨造成・咬合関係などにより決定され,それは大変センシチブなものである、フリーハンドでは困難な症例でも,サージカルガイドを用いる事で簡単に短時間で埋入手術が可能であり,またそれにより不自然な上部構造形態も避けられるものと考えられる. それと同時にインプラントを用いることで,残存歯へ咬合負担の軽減をはかることができる。
バーティカルストップがほぼ得られず、前歯部反対咬合であれば残存歯へかかるパラファンクションは,数値化できるものではないが,いかほどであろうか. 口腔内を通じての患者へのクオリティーオブライフの向上に寄与できたものと考える
パール歯科医院では、患者様が安心してインプラント治療を受けられるよう、安全性に重きを置いて治療を行っています。これまでに多数の症例を扱ってきた実績もございますので、治療方法や費用についてのご相談はお気軽にお問合せ下さい。
パール歯科医院 インプラント治療7つのこだわりについて
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パール歯科医院 インプラント症例について
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日本口腔インプラント学会 認定インプラント専門医
院長 藤田陽一
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