インプラントの特長ってなに?
歯が1本でも喪失すると、周囲の歯、歯肉、咬み合わせ、ひいては顎の関節にまで影響がでてきます。ただこれらの組織はすぐに悲鳴をあげることは少なく、長い時間とともに少しずつ確実に悪くなっていきます。そして周囲の歯に影響がでてくると、気づいた時分にはすでに歯に動揺が生じ、抜歯せざるを得ない状況となることが多いのです。歯を喪失した場合補綴といって歯を補う必要があり、その方法には3つあります。入れ歯・ブリッジ・インプラントです。
このうち入れ歯やブリッジにした方は、「美味しく食事をとることができない。」という悩みが多かれ少なかれ残ってしまいます。入れ歯・ブリッジは建物でいうと家屋のみの修繕となります。土地や地面に問題を放置して、どんなに素敵な家を建ててもすぐ問題が再発してしまうのと同じです。その点インプラントは、土地や地面から万全にし、その上に家屋を建てるイメージなので、長い目で見るとトラブルが少ないのです。インプラントはきわめて安定感があり歯の喪失部位が広いほど入れ歯、ブリッジと比べた優位性は高まります。また近年明らかになった事柄として、咬み合わせた時の力がインプラントを通じて歯を支える骨に伝わりそれが刺激になって、歯を支える歯槽骨がやせるのをふせいでくれるのです。これらのことから高齢化社会においてインプラントの重要性はますます高まり「第二の永久歯」と呼ぶ研究者もでています。
自分が初めてインプラントを行ったのは、約20年前パール歯科医院を開業して間もないころでした。大森で勤務医をしていた時に診療していた患者様が、わざわざ川崎まできてくれて、インプラントをしたいと言ってくれたのです。最初の1本はすでにインプラントの経験豊かな先輩に出張オペを頼んでやってもらいました。その後本当に数多くのインプラントセミナーに参加し、先輩のオペを見学させてもらい自分でも良く勉強したと思うほど勉強しまくりました。その中でも海外の学会に参加したのは、良い思い出です。年月の経過とともに手術方法の進化、骨補填材の進化、CTの普及、そしてインプラント自体の進化により初期のオペと比べ安全性は飛躍的に伸び、手術時間もずいぶん短くなりました。患者様からは、「お寿司がどのネタでもおいしく食べられるようになった」「人前でも笑って歯が見えることが恥ずかしくなくなった」など多くの喜びの声をいただきました。今先進国では年々インプラントの需要が高まり、歯を失った人の10%以上がインプラントをする時代になりました。これは平均寿命の伸びによる、長い老後をより豊にすごしたい、と考えている患者様が増えている証拠といえるのではないでしょうか。
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