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高齢化社会と歯の健康とは

日本の平均寿命は80歳を越え、世界でもトップクラスの長寿国となりました。

それにともない対応するべき社会、そして、人の心にも多少の戸惑いがでているようです。

「クオリティ オブ ライフ」という言葉は、もう一般的になってきましたし「フレイル」「サルコベニア」などという言葉も浸透してきました。

老化のスタートで歯を失うことは大きな意味があります。

歯を失うと、大きな咀嚼力を必要とする、肉や魚、あるいは野菜が十分に取れなくなり、蛋白質不足、ビタミン不足になります。

すると筋力が落ち転倒につながり寝たきりの生活になってしまう事もしばしばです。

また肉、野菜が取れなくなると食事内容が咀嚼力において比較的わずかで済む、ご飯・パン・麵類に偏りがちになり、糖質過多から糖尿病にすすみます。

糖尿病になると血管の老化がすすんで、健康寿命が損なわれる事、言うまでもありません。

もちろん心理的な喪失感も大きなものです。

加齢とともに歯の喪失も多くなるものです。特に50歳を過ぎたあたりから加速度的に歯の喪失はすすむのです。

古来ローマでもエジプトでも中国でも世界に覇をとなえた、権力・財力を握った王たちが最後に求めたのが「不老長寿」です。これこそ。人類最後の願いかもしれません。

実際に「不老長寿」はなかなか難しいことですが、延びた人生をいかに健康に生活できるかは、歯がかかわってくることは明らかです。

以前当院に来院したかなりな御高齢の患者様がこう訴えられました。

・・・・自分はもうあまり余命がないないかもしれない、でも今はンプラントという失った歯の替わりになるものがあると知りました。    ぜひインプラント治療を施していただいて、若いころと同じような食事をしたいのです。そのうえで人生を全うしたいのです・・・・。

この患者様は、ほぼ総入れ歯の状態で、食事をするたびに入れ歯がはずれてしまうような状態でした。

歯を喪失した原因は若い頃から不摂生を原因とした歯周病のようでした

患者様の気持ちは、痛いほどよくわかりましたが

インプラントの本数が多数になる事、骨の状態が良好ではない事、なによりその患者様は糖尿病と高血圧を患っていました。

程度にもよりますが糖尿病や高血圧の患者様はインプラント治療を行えない事があるため、理由を説明してインプラント治療をお断りさせてもらいました。

患者様は大変残念そうな表情をされましたが納得してくれたようでした。

ただその患者様は1年後にお亡くなりになられたことご家族から伝え聞きました。

歯を喪失するという事はこういう事なのかもしれません。

もしインプラント手術を行い、美味しい者が食べられるようになったら、もう少し長生きできたのかもしれません。

ただ前述したような条件があったためインプラント手術をおすすめしなかった判断は今でも間違ってないと考えています。

要は歯がなくならない生活習慣をしてもらえば良かったのです。

1本でも歯をなくさないために、健康増進歯科医院として予防歯科の啓蒙活動・実践をパール歯科医院では行っています。

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